立ちくらみは貧血ではない
何故立ちくらみが起きるのか
一瞬の間、視界がぼんやりとしたり、頭が重く感じる...一度は経鎖したことがある「立ちくらみ」。
その原因と、立ちくらみが起きるときの体の動きを理解することは、
健康に対する警告信号を受け取るために重要です。
立ちくらみと体の信号
立ちくらみは、立ち上がるときに短時間するのが一般的ですが、
これは通常、血圧の突然の変化に体が対応するときの反応です。
つまり、立ちくらみは体からの一種の信号であり、血圧が急落したときに起こる事象なのです。
立ち上がるときに頭上にある脳へ向かう血流が一時的に減少すると、
脳が一時的な酸欠状態に陥ることがあります。
この状態を脳は危機と捉え、その状態から脳への血流を回復しようとします。
その結果、血圧が一時的に上昇し、頭を重く感じることがあります。
この身体の反応は、倒れることを防ぐ保護反応の一部とされています。
立ちくらみの原因とは
主な立ちくらみの原因は「血圧の下降」です。
長時間座っていたり横になっているとき、血液は下半身に滞ってしまいます。
その状態から立ち上がると、急激に重力の影響が加わり、血液は下半身に引き寄せられてしまいます。
この結果、上半身や脳へ送られる血液の量が少なくなり、血圧が下降してしまいます。
この血圧の変化が原因となり、立ちくらみが起こるのです。
このほか、脱水症状や栄養不足、過度の疲労やストレス、そして長時間の運動も立ちくらみを引き起こす可能性があります。
立ちくらみが発生した際の対応策
立ちくらみが発生した際にはまず、落ち着きましょう。
あわてると事態を悪化させる可能性があります。
その後、頭部を下げて血流を改善します。
下を向く、もしくは腰を下げて座るなど、できるだけ短時間で頭を下げることが大切です。
また、立ちくらみが発生したときは、ゆっくり深呼吸をするように意識します。
酸素の供給が不足すると、脳が機能しきれず立ちくらみを引き起こしてしまいます。
深呼吸で酸素を補いながら、心拍数も落ち着けましょう。
立ちくらみと貧血との関係性
立ちくらみが頻繁に起きる場合、それは貧血のサインである可能性もあります。
「貧血」は血液中の赤血球が低下し、組織や臓器への酸素供給が不十分となる状態を指します。
赤血球とは、肺から取り込んだ酸素を全身に運ぶ役割をもつ血液成分の一つです。
赤血球が減少すると、酸素供給が不足し、脳への血流が低下します。
すると、立ちくらみが起こる可能性が高まります。
そのため、立ちくらみが頻繁に起こる場合は、健康診断を受けて貧血の可能性を確認することをお勧めします。
貧血の種類と対処法
貧血は、身体のさまざまな部位が酸素をうまく取り込めない状態を指します。
これは、血液中のヘモグロビンが十分でないか、あるいは赤血球の数が少ないために起こります。
その原因はさまざまで、鉄分やビタミンB12の欠乏、
妊娠中の身体の変化などが主なものと考えられています。
そこで本稿では、鉄欠乏性貧血、ビタミンB12欠乏性貧血、妊娠中の貧血について詳しく見ていきましょう。
鉄欠乏性貧血の特徴
鉄欠乏性貧血は、最も一般的な貧血の型で、体内の鉄分が不足して、
ヘモグロビンを十分に生産できなくなる状態を指します。
主な症状は、倦怠感や息切れ、めまい、不眠、神経症状などがあります。
これらの原因は、食事の偏り、鉄分の吸収障害、出血などがあります。
この貧血の対策としては、鉄分を多く含む食品の摂取や、必要に応じて鉄剤の服用などが効果的です。
また、鉄分の吸収を助けるビタミンCを一緒に摂ることもおすすめです。
大人に多いB12欠乏性貧血
B12欠乏性貧血は、ビタミンB12が不足してしまうことで発症します。
また、しっかりと摂取していても、胃や腸の吸収が悪いと起こります。
主な症状としては、疲れやすさ、息切れ、めまい、すぐに忘れる、舌が痛い、
手足がしびれるなどが挙げられます。
現代人にはストレス、疲労、過労などにより出ることが多いです。
また、加齢に伴う胃酸の減少が原因とも言われています。
対策として、ビタミンB12を多く含む食品を摂取するよう心掛ける事はもちろん重要ですが、
一度は血液検査を受けて正確な状況を把握することも大切と言えます。
妊娠と貧血
妊娠中は、母体と胎児の両方が酸素を必要とするため、血液の量が通常よりも大幅に増え、
それに伴ってヘモグロビンを作るための鉄分も必要とされます。
しかしながら、食事だけで十分な鉄分を摂取するのは難しいため、
妊娠中は特に貧血になりやすいと言われています。
妊娠中の貧血の主な症状には、すぐに疲れる、息が切れる、頭痛がする、
吐き気を感じるなどがあります。
妊娠初期から十分な鉄分を摂取する以外に、定期的に妊婦健診を受けて
貧血状態を確認することも大切です。
必要な場合は鉄剤を服用し、妊娠中の貧血を適切に管理しましょう。
新たな立ちくらみ対策の研究結果
立ちくらみの予防・対策方法として、日々新たなり研究が進行しています。
その最新の研究結果の一つに、「適度な運動」が注目されています。
適度な運動は血行を良くし、血圧の安定や血液中の酸素濃度を適正に保つことに寄与します。
筋トレやウォーキングなどを日常的に取り入れ、
心肺機能を高めて立ちくらみ予防につなげることが可能です。
もちろん、これらの対策も個々の体調や生活習慣に合わせて調整することが重要です。
立ちくらみを予防する食事
立ちくらみの予防として、食生活の見直しも非常に重要でしょう。
特に塩分の摂取は適度にし、脱水症状を予防するための水分補給は怠らないことが求められます。
またバランスの良い食事により体調を整え、必要な抵抗力を保つことも大切です。
立ちくらみとメンタルヘルス
立ちくらみは、肉体的な要因だけでなく、メンタル面からも影響を受けます。
ストレスや過労、不安などにより自律神経が乱れた際にも立ちくらみを引き起こすことが
わかっています。
ですので、日頃からのメンタルヘルスのケアも忘れてはなりません。
瞑想や深呼吸、ヨガなどを行うことでリラクゼーションを深め、
自律神経のバランスを整えることが大切です。
立ちくまみの予防対策は、体と心の両面からのアプローチが効果的であることを忘れてはいけません。
高齢者と立ちくらみの関係
高齢者の立ちくらみは、血圧の低下や循環器系の老化など、多くの要因によるものです。
突然立ち上がったときなどに血流が一時的に頭へ届かないと、立ちくらみが発生します。
調節機能が衰えると、血流の安定に影響を及ぼす可能性があり、
それが立ちくらみを引き起こす原因となります。
また、高齢者は長年の健康状態や生活習慣により、立ちくらみを引き起こす病気を
持っていることもあります。
例えば、高血圧症や糖尿病などがあります。
そのため、高齢者が立ちくらみを感じる場合は、必要に応じて医療機関への相談を検討することが重要となります。
十代の立ちくらみ
急激な成長期を迎える十代は、特に立ちくらみを経験しやすい年齢と言われています。
その理由の一つは、急激に身体が成長する中でホルモンバランスが変化し、
血圧や血流の調整に不安定さが出ることがあります。
また、十代の子はアクティブな行動が多く、立ち上がったり横になったりする動きが激しく、
その結果、頭部への血流が一時的に足りなくなり、立ちくらみを起こすことがあります。
しかしながら、十代の立ちくらみは、体調や食生活、睡眠時間などの生活習慣を適切に調整することで、
改善する可能性が高いことが知られています。
妊娠中の立ちくらみ
妊娠中は、体内の血液量が増え、血流が活発化します。
そのため、立ちくらみを感じる機会が増える可能性があります。
特に、減血や貧血が引き起こされると、立ちくらみが頻発することがあります。
加えて、妊娠後期には子宮が大きくなり、脚や骨盤への血液の流れを圧迫し、
立ちくらみを誘発することもあるのです。
しかし、妊娠中の立ちくらみは、血圧が急激に上がっている可能性や
体調や身体の変化によるものなど、重大な問題を示していることもあるため、
頻繁に立ちくらみを経験する場合は医師に相談することを推奨します。
まとめ
立ちくらみは、急に立ち上がるときや立ちすぎていると感じる時に
頭がくらっとする症状のことを指します。
心疾患や脳血管障害の前兆となり得ますので、
単なる一時的な症状と思わずに専門的な見解を得ることも重要です。
頻繁に起こるようでしたら病院受診も視野に入れましょう。