技術より先に学ぶ「身体の見方」
身体を整える仕事に興味を持つと、
「どんな運動を教えればいいの?」
「どんなストレッチをすればいいの?」
と、技術のことを考える方が多いと思います。
もちろん、運動やセルフケアの方法を知ることは大切です。
でも、私はそれと同じくらい、いや、それ以上に大切なことがあると思っています。
それが、「身体を見る力」です。
同じ肩こりでも、原因は同じとは限らない
例えば、
「肩がこる」
という悩みがあったとします。
でも、その原因は一人ひとり違います。
長時間のデスクワークが原因かもしれません。
姿勢が崩れているのかもしれません。
呼吸が浅くなっているのかもしれません。
身体の使い方に偏りがあるのかもしれません。
だから、「肩がこる人にはこの運動」と決めつけるだけではなく、
「なぜ、この人は肩がつらいのだろう?」
と考えることが大切になります。
身体を見るときに大切なのは「観察」
難しく考える必要はありません。
立った姿勢を見てみる。
歩いている姿を見てみる。
呼吸をしている様子を見てみる。
本人がどんなことを感じているのかを聞いてみる。
そうすると、少しずつその人の身体の特徴が見えてきます。
「右と左で違うかもしれない」
「呼吸をすると身体の動きが変わる」
「この動きをすると、こちらは楽になる」
そんな小さな発見を積み重ねていきます。

身体の「正解」を押しつけない
私は、身体には一つだけの正解があるとは考えていません。
もちろん、基本となる考え方はあります。
でも、人の身体は一人ひとり違います。
年齢も違えば、生活習慣も違います。
仕事も違います。
スポーツをしている人もいれば、ほとんど運動をしない人もいます。
だからこそ、
「この人にとって、今必要なことは何だろう?」
と考えることが大切なのです。
以前、腰が痛むお客様がいました。
正面から立位の状態を見ると、
いつも右の肩が左の肩よりも奥にありました。
いろいろ会話の中から
お寿司を握っている体制がその状態を作っていることがわかりました。
生活習慣から身体が変わることも多いです。
多岐の渡る可能性を考えてみるのも必要になります。
身体を見る力は経験で育っていく
最初から身体の変化を完璧に見抜く必要はありません。
実際に人と関わり、
「この方には何が必要なんだろう?」
と考える経験を重ねることで、少しずつ身体を見る目が育っていきます。
だから、学ぶことと実践することは切り離せません。
学んだことを実際に試してみる。
相手の反応を見る。
また学ぶ。
この繰り返しが、専門家としての力になっていきます。
まさに教室の場は、
生徒さんに提供して
変化を確認して
修正の場でもなるのです。
まとめ
身体を整える専門家に必要なのは、
「たくさんの運動を知っていること」だけではありません。
その人の身体を見て、
話を聞いて、
変化を感じ取り、
その人に合った方法を考える。
そんな「身体を見る力」を育てることが大切です。
技術を覚える前に、まず人を見る。
私は、これが身体を整える専門家の基本だと考えています。

